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出産はリセットボタンを押すこと

35歳になるまで「子どもは要らない」と思っていたが、
「このまま我が子の顔を見ないと、死ぬとき後悔しそう」
という夫の言葉で、突然腹をくくって子どもを産むことに決めた私。

その頃私は、会社勤めをしていて一応という程度だが役職に就いていた。子どもを産むとなると、仕事の継続は極めて厳しいと思った。
預けて働く?待機児童が多いことが大きな社会問題となっている中で、預け先は確保できるか?
うまく預ける先があったとして、子どもが病気になったら?夫も私も実家は遠く、協力をお願いできる距離に両親はいない。
今のマネージャー職にこれまで同様の責任は持てるか?そして何より我が子の成長に責任が持てるのか?その体力と精神力は持ち合わせているか?・・・

仕事は一旦あきらめるしかない、と思った。仕事は大好きだったが、当時の職は本当に精神的にも肉体的にもきつく、その上育児を抱える余裕は少しもなかった。

そうして妊娠7ヶ月になる頃、私は大卒から14年間勤めてきた会社を退職することとなった。出産は私にとって「リセットボタンを押すこと」だった。

子どもとはそもそも一組の男女の間にできたものなのに、出産となるとその男女は「仕事」も「自由」も、一方的に「持てるもの」と「持たざるもの」の真っ二つに分かれてしまう。
男性にとって、出産によって失うものは何もない。せいぜいが仕事を
「この子のためにもこれまで以上に頑張ります」
くらいのものだ。だが、子どもがいようがいまいが、私が知る限り仕事は誰だって頑張っている。
それに引き換え、なぜ女性だけが私のように子どもと引き換えに職も自由も、両方いっぺんにに失うことになるのだろう。双六の「振り出しに戻る」の気分だ。

それまでのキャリアを一切失うことなく、「子ども」という宝物をただプラスアルファで手に入れることができる男性と、同じ宝物を大切なものを失うことでしか手に入れることができない女性。出産の前後でなぜ女性だけがこうも人生が一変してしまうことになるのだろう。

「当たり前だろう、女なんだから」
という、その意識にこそ少子化の真の原因がある。






by mysaturntoyota86 | 2018-06-06 15:24 | ズバリ、解説

なぜ日本では少子化が止まらないのか、一介のパートタイマー兼主婦がご説明します。

by motherofangel